鳩居堂の筆

鳩居堂の筆は長い歴史とともにあります。

それぞれの時代、なかでも江戸時代の儒学者頼山陽をはじめ、多くの文人墨客との交友から受けた筆造りに対する貴重な意見は、今日でも大切な財産となっております。また、それらの意見や要望に応えられる筆師の技術も忘れてはなりません。1本の筆は、たくさんの工程を経て製品となります。熟練の技から生み出された鳩居堂の筆を是非お試し下さい。

太筆から面相筆まで、毛筆、穂の長さなど多くの選択基準がありますが、個人の好みも大きく影響いたします。

筆のおろしかた

固め筆は、ご使用になる部分までを指先でていねいに、揉みほぐし、水またはぬるま湯につけて糊を除去後、紙か布で水分を拭き取ってから墨を含ませてください。
さばき筆も、穂のなかにまでよく水を含ませて糊を除去の後、水気をよく切ってから含墨させてください。

筆の保存方法

「さばき筆」は、水でよく洗い、紙や布で水分をよく取り除き、穂先の形を整えて、筆掛けなどに掛け、乾燥した場所において下さい。
「固め筆」は、墨気を紙や布でよく拭き取り、穂先の形を整えて筆巻などに納めて下さい。
長期ご保存の場合は、十分に乾燥させてから、防虫剤と共に桐箱などに入れて、湿気の少ない場所に保管してください。
また、春、秋には虫干しをして風を入れて下さい。

筆の種類

穂先を「ふのり」でまとめた固め筆と、固めた後にさばいた捌き筆とがあります。
毛の硬さは、山馬のような剛毛筆から、羊毛のような柔毛筆まであります。
穂先の長さで、長鋒筆・中鋒筆・短鋒筆と呼び分けます。

筆に使われる主な原毛

柔軟で弾力あり耐久性に富んでいるのが特徴です。多少縮れ気味のため、墨の含みが良く、大きな字を書くとき、墨つぎ回数を少なくできます。
腰が強く、長い毛が得られるので太筆に多く使われます。うるおいある線は出しにくいですが、羊毛などを適当に混ぜて補い、勢いのある字を書くのに適しています。
毛先に弾力と粘りが有り、長持ちして、実用性があります。
高級品として尾尻の毛を使用。
腰は少々弱いですが先が強く、仮名に適しています。黒狸・白狸を比較すると、黒狸がやや硬めになります。
鹿
羊毛より硬めで、腰は強く流れがよいので、画筆によく使います。夏毛・冬毛とよばれるのは鹿毛のことです。
水陸両棲動物で、水を吸い込む力、はき出す力がバランスよくとれています。鼬毛(いたちげ)は、狼毛(ろうもう)とも呼ばれています。
別名、玉毛とも言います。筋が通ってするどく、先端だけを使用する細い仮名書きに適します。
リス
尻尾のみ使用。弾力性が弱く、墨含みが良い。
筆の種類

書筆と画筆の違いは、書筆は多種類の毛で構成され毛数が多く、画筆は毛の構成が単純でやせている、という点です。書の場合、絵のように細かく墨をつけていては字にまとまりがなくなるため、墨切れしないように毛の量が多いですが、最近では書の方で画筆を用いたり、絵の方で書筆を使うという傾向もあり、一概にその区別をつけにくい面もあります。

書筆
太筆
太筆
軸径12〜13ミリ以上で馬毛、羊毛が多く、練習用や額、屏風、看板などに使用。
中字筆
中字筆
軸径9ミリ以上で馬、羊、鹿の毛が多い。練習用に広く使用され半紙に5〜6文字を書くのに適しています。また、色紙や額などにも使用。
極細筆
小筆
軸径5ミリ程度。書翰用、仮名書きなどに使用。
原毛は、羊、鹿、狸、鼬、貂などを組み合わせて制作。
写経筆
極細筆
軸径4ミリ以下の筆。原毛は玉毛、鼬が多い。特に細い字を書く場合に使われ、印鑑や木版などの版下用、写真修正用、図案用に使用。
小筆
写経筆
別名、雀頭筆ともいい、雀の頭に似ていることからその呼び名がついたと云われています。読んで字の如く、写経をする筆です。
画筆
運筆
運筆
線で外形をとらずに直接ぶっつけに形態を描く。
原毛は羊、鹿、馬、狸を使用。
彩色筆
彩色筆
彩色に使用し、やや短鋒でふっくらしている。
原毛は、羊、鹿を使用。
隅取
隅取
短鋒で遠近、凹凸、陰影などのぼかしに使用。
原毛は、羊、馬、鹿を使用。
線書
線書
輪郭やその他の線を描く。
面相筆(顔の線などを描く)も同様。原毛は、狸を使用。
毛書
毛書
極く細かい線や毛髪などを描く。
原毛は、鼬、狸を使用。
連筆
連筆
3連筆、5連筆、7連筆とあり、刷毛のように横に並べて一本化したもの。主に広い面の彩色や、ぼかしに使う。原毛は羊、山馬を使用。
筆のつくり方
1
ぬく原毛を選び、毛の中にあるムダ毛を金櫛で取り除く。
2
もむ毛の脂肪をとるため灰で手もみする。
3
まぜる毛を筆の形になるように揃え、毛組みにむらのないよう揃える。
4
たてるまぜ合わせた毛を所要の大きさにしてコマに入れる。
5
きせる出来上がった穂の上に白毛、茶毛などの上毛をきせる。
6
しあげる竹軸に穂を付け、ふのりで穂首を糊固め仕上げする。